第20回21回定例研究会

外国人適性雇用プラットフォーム
定例研究会報告

第20回(2月16日)、第21回(3月16日)

この2回は鍋島より「外国人雇用に関する外食経営者意識調査(1-RC-B調査)」の実施に向けてその概要が報告されました。第20回は調査コアチームによる検討が行われ、第21回では外食事業者を対象とした説明会が行われたました。以下、調査の概要を説明します。

(1)調査の目的
本調査は、日本の外食産業における外国人雇用の実態と、外食事業経営者が外国人雇用・在留資格制度・移民政策についてどのような認識を持っているかを把握することを目的として実施されるもので、調査はトヨタ財団の助成を受けて実施され、外食業界における慢性的な人手不足への対応、外国人材の受入れ、そして日本社会における移民・共生政策の課題を検討する基礎資料とすることを目的としています。
(2)調査の枠組み・方法
調査対象は、外食事業を経営する法人代表者、個人事業主、またはそれに準ずる権限を有する責任者です。複数企業を経営している場合には、代表的な会社を基準に回答する形式となっています。
調査項目は大きく以下の6つの領域で構成されています。
企業属性
所在地、資本金、従業員数、店舗数、運営方式、加盟団体等
一般的な雇用実態
支配人、調理責任者、ホール担当、補助的ワーカーなど、ジョブ(職務)単位での雇用構造
外国人雇用の実態
外国人従業員数、担当職種、在留資格の種類
人手不足と採用状況
人材不足の深刻度、外国人採用の理由や評価
在留資格制度に対する認識
制度理解、ジョブ型雇用との関係、制度改善への意識
移民政策・共生社会に対する認識
外国人受入れ、規制、共生施策、移民制度への考え方
設問形式は、選択式を中心に、一部自由記述を含む構成となっています。
(3)調査内容の特徴
本調査の特徴は、外食産業の職務を「ジョブ(職務)」単位で整理している点にあります。具体的には、「支配人」「調理責任者」「調理技術者」「ホール責任者」「補助的ワーカー」などに分類し、外国人材がどの職務に従事しているかを分析できる設計となっています。
これは、日本の在留資格制度が本来的にジョブ型雇用を前提として設計されている一方、日本企業の多くがメンバーシップ型雇用を採用しているという制度的不整合を背景にしていると考えられます。
また、外国人の在留資格についても、「技術・人文知識・国際業務」「特定技能」「技能実習」「留学生」「永住者」など多様な類型を対象としており、外食産業における外国人雇用の多層的実態を把握する構成となっています。
(4)主な論点
この調査では外食産業における人手不足が深刻化している実態が前提となっています。特に、「募集しても応募がない」「事業継続が困難になる可能性がある」といった認識を把握する設問が配置されており、外国人雇用が経営維持の重要な手段となっているのかどうかを明らかにします。
また、外国人採用についても、単なる人手不足対策だけではなく、「インバウンド対応」「海外販路開拓」といった経営戦略上の役割がどう意識されているかも焦点です。
さらに、在留資格制度については、「制度が複雑である」「外食産業の実態に合っていない」「ジョブ型雇用に合わせて日本企業側が変わるべき」といった論点が提示されており、制度と雇用慣行の関係が大きなテーマとなっています。
(5)まとめ
本調査は、外食産業における外国人雇用が、単なる補助的労働力ではなく、産業維持や事業成長を支える重要な基盤となりつつある現状を把握するための重要な調査です。同時に、日本の在留資格制度がジョブ型雇用を前提としていることを踏まえ、外食産業における職務定義、適正雇用、キャリア形成、共生施策のあり方を検討する必要性を示しています。今後は、外国人材を単なる労働力としてではなく、長期的に共に働く人材として位置付け、日本語教育、生活支援、職務設計、制度理解支援などを含めた総合的な受入れ体制整備が求められると考えられます。