外国人適性雇用プラットフォーム
定例研究会報告
第18回(12月22日)
第18回(12月22日)
この回は、2024年末から行われた「日本で就労したいインドネシア人の考えを知るアンケート調査(1—SC—A調査)」のクロス集計に関して、大阪市立大学の水内特任教授を中心に方向が行われました。
まずこの調査が、インドネシアにおける若年層の海外就労意識、日本就労への期待、日本社会・制度への理解度、日本語学習状況等を把握し、日本における外国人雇用政策および受入れ制度の改善に資する基礎資料を得ることを目的として実施され、今回は特に、学歴・学習経験によって海外就労に対する意識や準備状況がどのように変化するかに焦点を当てて分析が行われたことが説明されました。次に主な調査結果です。
(1)日本就労への強い志向
海外で働く希望国として、日本は全学歴層で非常に高い割合を占めており、高校卒業層では95%以上、大学卒業層でも93%前後が日本を希望していた。日本は単なる高賃金国としてだけでなく、「キャリア形成の場」として認識されていることが確認された。
(2)海外就労動機の変化
外国で働きたい理由として最も多かったのは「キャリアを伸ばし夢を叶える機会が多いから」であり、特に大学層では自己形成・キャリア形成を重視する傾向が見られた。一方、高校層では「給料が高い」「生活の安定」など経済的理由も強く、学歴によって動機の性格に差がみられた。高校卒業者は現実的な就労意識を持ち、大学生は比較的ふわっとした動機を持つ傾向があると指摘しています。
(3)日本に対するイメージ
日本に対しては「給料が高い」「安全」「清潔」といった生活環境への評価に加え、「文化」「時間規律」「勤勉さ」など社会規範への評価も高かった。大学卒業層では、日本文化や歴史への関心が高く、単なる就労先ではなく、社会的・文化的魅力を持つ国として認識されています。
(4)制度理解と日本語能力
日本社会のルールや在留制度については、学歴が高いほど理解度が高くなる傾向が確認された。特に「在留資格による就労制限」「副業許可」「社会保険制度」など制度的理解には大きな差がみられました。N3以上のレベルが実際の就労には必要とされているものの、多くの希望者がそのレベルに達していない現状があります。
また、日本語学習期間と会話能力には明確な相関があり、3年以上学習している層では「問題なく会話できる」と回答した割合が高かった。一方、全体では日本語資格未取得者も6割を超えており、日本語教育支援の重要性が示唆されました。またアンディ先生は帰国者調査の結果から、多くの元技能実習生が帰国後の起業に失敗し、再度海外就労を選択する現実を報告しました。また、日本語能力の習得が大きな課題として浮上しています。
以上の結果から、インドネシアの若年層において日本就労への関心は非常に高く、その背景には経済的要因だけでなく、キャリア形成や社会的成長への期待が存在することが明らかとなり、また、学歴や学習経験の上昇に伴い、日本に対する理解が「観光的イメージ」から「制度的理解」へと深化していく過程も確認されました。
これを踏まえ、日本企業側にとっては、外国人材を単なる労働力としてではなく、中長期的なキャリア形成を支援する人材として位置付けることが重要で、特にジョブ型雇用の考え方に基づき、職務内容・評価基準・キャリアパスを明確に提示することが、優秀な外国人材の確保・定着につながると考えられることが報告されました。